2010.11.12 Friday
プロとバイノーラルと高音質音楽配信
先日、柔道のヤワラちゃんこと谷亮子選手が選手生活の引退を発表しました。
ニュースで金メダルを取った頃の映像が流れましたが、相手の襟を掴んだ時点で既に投げに入っているという、物凄い技の切れを見せていました。恐らく、相手の動きに応じて反射的に技が出るのだと思いますが、改めて彼女の柔道家としての凄さを認識させられました。
その映像を見て思い出したのが、鳥人間コンテスト名誉会長の東昭先生(東大名誉教授)に言われた「どの世界でもプロって言うのは凄いもんだよ」という言葉でした。
スキーのジャンプでオリンピックに出場した選手が風洞実験に協力してくれたときに、物凄い風圧の中でもピタッと飛行姿勢を決めるお話をして下さり、一流選手の凄さ、そしてどの分野でもプロは凄い何かを持っている、とお話されました。
なぜそんな話から始まるのかと言うと、Island Soundというサイトでプロの音楽家が録音したバイノーラルの音源を聴いたからなのでした。
当サイトでもバイノーラル録音による動画を掲載しています。少しでもいい音が録れるよう頑張っていますが、同じBME-200というマイクを使いながらも、プロの録音と大きな差があるのを実感させられました。
(Island Sound 自然音をバイノーラル録音し、高音質音楽配信しています。)
勿論、録音機材が違いますし、提供手段も異なります。しかし、それ以上に経験とノウハウの差が大きい。
それが、プロと一般の差なのだと改めて実感した次第です。
さて、このIsland Soundというサイトを知ったのは、今週の始め(11/8)にAV Watchというニュースサイトの連載でBME-200が話題に上がったからでした。
記事はこちらをご覧下さい。→ 藤本健のDigital Audio Laboratory 第439回
この記事の主題はバイノーラルではなく、高音質音楽配信を個人レベルで実現した事にスポットが当てられています。
高音質音楽配信はここ2〜3年の間に出てきた新しい流れで、PCオーディオという新しい再生方法と合わせて、ピュアオーディオを求める人達が待ち望んでいたものです。
意外かもしれませんが、この流れはiPodなどの携帯オーディオから始まったと言えます。
今までCDなど光ディスクの場合、デジタルと言いながらも実は信号劣化が起きており、耳の良い人達からはデジタルになって音が悪くなったと指摘されていました。
(デジタルになって音が悪くなったという話の流れで載せるには勿体無い高級CDプレイヤーが写っていますが…)
この大きな原因としてCDを読み取る際の読み取りエラーがあります。音楽の場合にはリアルタイムに再生しなければならないので、ディスクの読み取りエラーがあっても読み直さず、補間しながら音を鳴らします。当然ながら元通りの音にはならず、音質劣化を引き起こす原因になっていました。
これがiPodあたりからの携帯オーディオでは、基本的にメモリーにデータが保存されるので読み取りエラーが起きません。そこで、CDの読み取りエラーが気になっていた人達に、携帯オーディオを利用した音質向上という手法が利用され始めたのでした。
※ ただしCDから音楽を取り込む際、読み取りエラーは読み直す設定にする事と、可逆圧縮やリニアPCMなど音質劣化が無いフォーマットで取り込むことが必須条件です。
現在では、PCに高性能なUSBオーディオを接続して音楽を楽しむ世界が構築されつつあり、スーパーオーディオCD(SACD)と同レベルの音質を楽しめるようになってきたのでした。
(写真はONKYOのエントリーモデルSE-U33GX。USB音源で24bit/96kHzの世界が身近になりました。)
SACDが音質に定評ありながらも普及しなかった原因は、ハードウエアを一式揃えると高額になってしまうことがあったように思います。SACDプレイヤー、アンプ、スピーカー…、これらを買い揃えると簡単に10万円を超えてしまいます。
オーディオが流行っていた時代であればともかく、全てが安くなっている現代において、広く受け入れられるシステムではなかったように思います。
PCオーディオの場合もPCの価格を考えると安くはありませんが、2010年現在、ほぼ1家に1台PCが普及していますので、PC以外を買い揃えると考えれば比較的安く済みます。
最低限、24bit/96kHzに対応したUSBオーディオとヘッドフォンを揃えれば楽しめるようになります。SACDを揃える金額の一つ下の桁で高音質の世界を体験出来るようになったと言えます。
(そしてアンプやスピーカーを買い足すことで、またUSB音源を買い換えることで、一つ一つステップアップが可能です)
冒頭の記事で紹介されていますIsland Soundではバイノーラル方式の音源を高音質配信しています。
砂浜に繰り返し押し寄せる波が、砕けながら砂に消えてゆく様子を、それこそ泡の一つ一つまで堪能させてくれる。…と言ったら大袈裟かもしれませんが、ヘッドフォンで聞くのに最高の音源です。環境をお持ちの方は、このサイトにある自然音を聴いてみて下さい。
(写真 さだまさしが「私は犬に叱られた」という歌で、負け犬じゃなく負け人と言えと犬に叱られたと歌っていました)
しかし例えプロ相手でも負けると悔しいですね。
別に録音は勝負の世界ではないですし、プロ相手におこがましい話であります。しかし、少なくとも自分が納得できる録音が録れるようになりたいものです。
当ブログでも、もっと良い音で録れれば説明が出来るのに、というお話のネタも幾つかあるだけに、少しずつでも腕を上げたいと思います。
今後とも皆さんに当ブログを見に来て頂けると、そして音について感心を持って頂けると幸いです。
究極の自然音 八重山:Island Sound
バイノーラルマイク:BME-200
集音器の無料試聴:アドフォクス
JUGEMテーマ:気になるオーディオグッズ
ニュースで金メダルを取った頃の映像が流れましたが、相手の襟を掴んだ時点で既に投げに入っているという、物凄い技の切れを見せていました。恐らく、相手の動きに応じて反射的に技が出るのだと思いますが、改めて彼女の柔道家としての凄さを認識させられました。
その映像を見て思い出したのが、鳥人間コンテスト名誉会長の東昭先生(東大名誉教授)に言われた「どの世界でもプロって言うのは凄いもんだよ」という言葉でした。
スキーのジャンプでオリンピックに出場した選手が風洞実験に協力してくれたときに、物凄い風圧の中でもピタッと飛行姿勢を決めるお話をして下さり、一流選手の凄さ、そしてどの分野でもプロは凄い何かを持っている、とお話されました。
なぜそんな話から始まるのかと言うと、Island Soundというサイトでプロの音楽家が録音したバイノーラルの音源を聴いたからなのでした。
当サイトでもバイノーラル録音による動画を掲載しています。少しでもいい音が録れるよう頑張っていますが、同じBME-200というマイクを使いながらも、プロの録音と大きな差があるのを実感させられました。
(Island Sound 自然音をバイノーラル録音し、高音質音楽配信しています。)
勿論、録音機材が違いますし、提供手段も異なります。しかし、それ以上に経験とノウハウの差が大きい。
それが、プロと一般の差なのだと改めて実感した次第です。
さて、このIsland Soundというサイトを知ったのは、今週の始め(11/8)にAV Watchというニュースサイトの連載でBME-200が話題に上がったからでした。
記事はこちらをご覧下さい。→ 藤本健のDigital Audio Laboratory 第439回
この記事の主題はバイノーラルではなく、高音質音楽配信を個人レベルで実現した事にスポットが当てられています。
高音質音楽配信はここ2〜3年の間に出てきた新しい流れで、PCオーディオという新しい再生方法と合わせて、ピュアオーディオを求める人達が待ち望んでいたものです。
意外かもしれませんが、この流れはiPodなどの携帯オーディオから始まったと言えます。
今までCDなど光ディスクの場合、デジタルと言いながらも実は信号劣化が起きており、耳の良い人達からはデジタルになって音が悪くなったと指摘されていました。
(デジタルになって音が悪くなったという話の流れで載せるには勿体無い高級CDプレイヤーが写っていますが…)
この大きな原因としてCDを読み取る際の読み取りエラーがあります。音楽の場合にはリアルタイムに再生しなければならないので、ディスクの読み取りエラーがあっても読み直さず、補間しながら音を鳴らします。当然ながら元通りの音にはならず、音質劣化を引き起こす原因になっていました。
これがiPodあたりからの携帯オーディオでは、基本的にメモリーにデータが保存されるので読み取りエラーが起きません。そこで、CDの読み取りエラーが気になっていた人達に、携帯オーディオを利用した音質向上という手法が利用され始めたのでした。
※ ただしCDから音楽を取り込む際、読み取りエラーは読み直す設定にする事と、可逆圧縮やリニアPCMなど音質劣化が無いフォーマットで取り込むことが必須条件です。
現在では、PCに高性能なUSBオーディオを接続して音楽を楽しむ世界が構築されつつあり、スーパーオーディオCD(SACD)と同レベルの音質を楽しめるようになってきたのでした。
(写真はONKYOのエントリーモデルSE-U33GX。USB音源で24bit/96kHzの世界が身近になりました。)
SACDが音質に定評ありながらも普及しなかった原因は、ハードウエアを一式揃えると高額になってしまうことがあったように思います。SACDプレイヤー、アンプ、スピーカー…、これらを買い揃えると簡単に10万円を超えてしまいます。
オーディオが流行っていた時代であればともかく、全てが安くなっている現代において、広く受け入れられるシステムではなかったように思います。
PCオーディオの場合もPCの価格を考えると安くはありませんが、2010年現在、ほぼ1家に1台PCが普及していますので、PC以外を買い揃えると考えれば比較的安く済みます。
最低限、24bit/96kHzに対応したUSBオーディオとヘッドフォンを揃えれば楽しめるようになります。SACDを揃える金額の一つ下の桁で高音質の世界を体験出来るようになったと言えます。
(そしてアンプやスピーカーを買い足すことで、またUSB音源を買い換えることで、一つ一つステップアップが可能です)
冒頭の記事で紹介されていますIsland Soundではバイノーラル方式の音源を高音質配信しています。
砂浜に繰り返し押し寄せる波が、砕けながら砂に消えてゆく様子を、それこそ泡の一つ一つまで堪能させてくれる。…と言ったら大袈裟かもしれませんが、ヘッドフォンで聞くのに最高の音源です。環境をお持ちの方は、このサイトにある自然音を聴いてみて下さい。
(写真 さだまさしが「私は犬に叱られた」という歌で、負け犬じゃなく負け人と言えと犬に叱られたと歌っていました)
しかし例えプロ相手でも負けると悔しいですね。
別に録音は勝負の世界ではないですし、プロ相手におこがましい話であります。しかし、少なくとも自分が納得できる録音が録れるようになりたいものです。
当ブログでも、もっと良い音で録れれば説明が出来るのに、というお話のネタも幾つかあるだけに、少しずつでも腕を上げたいと思います。
今後とも皆さんに当ブログを見に来て頂けると、そして音について感心を持って頂けると幸いです。
究極の自然音 八重山:Island Sound
バイノーラルマイク:BME-200
集音器の無料試聴:アドフォクス
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