自分で出来る周波数特性測定 | 聴覚にまつわる音のお話
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自分で出来る周波数特性測定

皆さんはサッカー日本代表の試合はご覧になられたでしょうか?
私は以前はサッカー中継を見なかったのですが、オシム監督の頃から日本代表の試合が面白くなり、見るようになりました。
今年のワールドカップ、そしてそれ以降、ザッケローニ監督を得て日本代表がどんどんレベルアップしています。さらに新しい才能が出てくるのを見るのは本当に楽しいものです。

サッカー競技場の画像

サッカーに限らず近年のスポーツでは若くして高いレベルの選手が出現する事があり、この一因にインターネットが挙げられています。若い頃から世界中の情報に触れ、世界の高いレベルを見ながら成長するから、プロになった時点で既に高い技術を持っているとの事です。

そして音の世界でもインターネットを活用すると、昔とは違う、個人でも高いレベルで色々な事が出来るようになりました。
そこでまず今回は信号を測定・分析したり、作成(発生)するアプリケーションをご紹介します。


■ WaveSpectra (周波数分析ソフト)
PCで音を分析するときの定番アプリケーションで、当ブログの作成にも使用しています。
また外部マイクの音をWaveSpectraで分析すると、色々な音を分析し、その場で客観的に見ることが出来ます。

(画像) WaveSpectraの画像
Wave Spectraの画像

上の画像は、イヤホンでサイン波を鳴らした音をマイクロホンで録り、Wave Spectraで分析した様子です。
厳密に言うと、上の画像の測定では測定条件(イヤホンとマイクの設置方法、スイープ速度、その他)がいい加減なので精度に問題がありますが、それでも手軽にイヤホンの大体の傾向を見ることが出来ます。

この他にも、自分の声を周波数分析して見るとフォルマント(倍音)成分の出方が感覚的に分かるようになりますし、通常は聞き取れない屋内と屋外による暗騒音の違いといったものも目で見ることが出来ます。


 WaveSpectraの入手先はこちらです。
  (1) 作者のページはこちら
  (2) Vectorからダウンロードしたい方はこちら



■ WaveGene (テスト信号発生ソフト)
PCでテスト信号を発生させたいときに使用するソフトです。
上記WaveSpectraと組み合わせることで、より効果を発揮します。

(画像) WaveGeneの画像
WaveGeneの画像

Waveファイルにも出力できるので、PCを持ち歩けなくても、CDに焼いたり、iPodやWalkman等の携帯オーディオに入れて持ち歩くことが出来、例えばカーオーディオのテストなど、ちょっとしたオーディオ装置の検証に役立ちます。


 WaveGeneの入手先はこちらです。
  (1) 作者のページはこちら
  (2) Vectorからダウンロードしたい場合はこちら




そして上記の二つのソフトを組み合わせると、手軽にこんな事が出来ます。
この動画は、PC(WaveGene)>USB音源>被測定イヤホン>音>マイクロホン>USB音源>PC(WaveSpectra)、という構成で二つの異なるイヤホンを測定した様子です。

(動画) 周波数特性の測定

これらのアプリケーションを用いてみると、周波数特性と音楽の聞こえ方の関係が感覚で分かるようになってくると思います。
音響装置を評価するうえで周波数特性は基本部分ですので、ある程度の感覚を養っておくと何かと役に立ちます。
例えばイヤホンやヘッドホン、スピーカーなどを購入する際に、その装置で自分の好きな音楽が楽しめるのかどうか、また普段自分がどの辺りを聞いているかが分かるようになります。

また、WaveSpectraのような周波数分析(FFT)ソフトは、自分で作ろうとすると少々高度な数学の知識が必要になります。この難しいところを省いて、高度な周波数分析を手軽に利用できるのは、実はとても有難いことです。意味が分からなくても触って遊んでおかないと、もったいないぐらいの勢いです。
(この有益なアプリケーションを無料で提供して下さる作者様に、大変感謝いたします)


さて、ここまで書いておきながら何ですが、数字に縛られ過ぎない事も大切です。周波数特性や歪率は音質の全てではなく、一面に過ぎません。
他にも位相のずれや共振などがあり、違う測定をしたり、そして音は最終的に耳で聞いてチェックするものです。

海中の画像「透明な音の景色」

実際に音を耳で確認し、多角的に分析しながら作り込まれたオーディオ装置は、長時間聞いても疲れ難く、静かで透明な音の景色を見せてくれます。ただ、パッと聞いた感じでは自然な音ほどインパクトが無いので、なかなか評価され難いのが現実でした。
しかし、最近ではインターネットのお陰かアマチュアのレベルが上がりつつあります。また楽器を演奏する人も増えていて、彼らは音について聞いて分かる感性を持っています。

才能ある若者と出会うのはとても嬉しいもので、未来が明るく感じます。しかし、それと同時に既に若者でない自分に焦りも覚えます。
折角、無料で使える高度な道具がありますので、この機会に使ってみて、私達も若者に負けないように、少しずつ感覚を養ってみるのは如何でしょうか。




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